
『学生の視点から書かれた本』
大学受験生向け「赤本ポケット」シリーズの1冊。本屋の心理学書のコーナーではなく、受験参考書のコーナーにありそうな本。
表紙に「高校生のための進路ガイド」と書いてある通り、進路としての心理学についての情報を与える本。最大の特徴は、現役大学生のナマの声を集め、学生の視点を反映させて書かれた本だという点だと思う。
大きく3部構成になっており、第1章では、心理学を実際に学んでいる現役大学生や卒業生約200人のナマの声を紹介、第2章では、卒業後の進路についての情報が扱われている(ここでも就職した何人かの先輩の話が聞ける)、第3章では、多岐に渡る心理学の各分野を広く浅く紹介している。この第3章において、具体的な大学名や教員名を「オススメ」として挙げているところなどはなかなか凄いと思う。
通常、特定の学問を中高生に紹介するような本は大学の先生が書くことが多いと思う。先生たちは自分の専門分野に多少なりとも誇りを感じているだろうから、そのテの本はどうしても親バカ的な本になってしまう(本書も第3章には、良いところだけをサラッとなぞっただけ、という印象を受けた)。そのことの一番の問題は、それは学生の視点とは異なる、ということなのだと思う。学生が知りたいのは実際の経験者の声だ。その点、本書の第1章は画期的だと思う。
大学で心理学を学ぶことを考えている高校生、将来心理学を活かした職業につきたいと考えている高校生には、ザッと一読しておくことを勧める。ブックガイドも割りと良いセンいっていると思う。心理学という学問の特徴を紹介している本としては、『チビクロこころ』(森まりも1999年北大路書房)も薦めたい。