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東大へ行こう!―ドラゴン桜公式ガイドブック (KCDX (2038))

『受験勉強の意義と限界』
 三田紀房(1958年生まれ)『ドラゴン桜』(講談社『モーニング』連載中、講談社漫画賞受賞、テレビドラマ化された)は、低偏差値の高校生を東大に合格させるための勉強法を、具体的に描いた漫画であり(ただし漫画としての話の筋が面白いかどうかは留保しておく)、現実の受験にも大きな影響を及ぼしているらしい。この漫画には、偏差値・学歴至上主義的な、一見身もふたも無い露骨な現実論も多い。しかし、よく読んでみると、それはきちんと筋がとおっているし、決して理想主義の否定でもない。むしろ著者は受験勉強の意義と限界を見極めた上で、あえて受験勉強にこだわり、それを意味ある方向に活かそうとしているのである。例えば、東大を目指すのは、学歴社会を脱していない日本社会の現実の中で、チャンスをつかむためであると同時に、その受験が王道の基礎を問うものであるからである。つまり、東大受験用の勉強とは、実は基礎を効率的に身につけるための勉強法でもあるのである。
 本書は、著者三田氏と『モーニング』編集部の監修による、この『ドラゴン桜』の公式ガイドブックであり、この漫画(当然2005年夏時点までの連載分)で紹介された勉強法のエッセンスを抜き出してまとめ、著者や東大生、教師等のインタビューを付加した、2005年刊行の本である。本書では、受験勉強の社会的意義、一般的な勉強のための心得、戦略の立て方、科目ごとの攻略法、精神安定法等が、コンパクトにまとめられている。正直言って、自分の研究の進め方や教育方法を考える上でも、私には随分役に立った。勉強嫌いや勉強の仕方に悩んでいる人こそ読むべき本であると言える。ただし、言うまでもないことだが、この本は決して「適当にやり過ごすためのさぼり方を教える本」ではなく、むしろ「学問に王道なし」をストレートに説いた本であることに注意。

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