
『使えるのだが、改善の余地あり。』
本書の主な内容は、法科大学院合格者のステートメントおよび面接面接での質疑応答を再現したものである。
ステートメントに関しては、筆者による添削も付いている。
評価できる点ももちろんある。
面接の質疑応答の内容まで載っているなど、書店で幾つかの類書見た限りでは、貴重である。
しかし残念ながら、やや仕事に抜かりがあるように思う。
まず、情報が必ずしも正確ではない。
東京大学法科大学院に提出されたステートメントにたいするコメントで、「この点は面接でも聞かれるでしょう」(P23)とあるが、東大ローで面接試験が実施されたことはなかった筈である(おそらく今後もないだろう)。
この点の記述など、読者をミスリードする恐れが大いにある。
それにしても、法科大学院受験対策用の書籍で、著者がトップ校たる東大法科大学院の試験内容を取違えているというのは、さすがに如何なものか。
また、受験生の書いたステートメントの再現は載っているのに、ステートメントの課題ないし質問内容について書かれていないあたりは、首をかしげる。
(もちろん再現ステートメントの内容から、推測は出来るのだが、なんでそんな作業をするハメにならねばならんのか・・・)
はっきり言って、不親切である。
三番目に、再現ステートメントに対する添削のレイアウトは、少々見にくいと感じたので、この点も改善の余地があるのではないか。
以上にあげた欠点は、いずれも本書を受験対策書として無価値にするものではないが、もう少し丁寧な仕上げがなされれば、使い勝手もより良くなっただろうに、と思われる。